校長挨拶

本校は、「社会の役に立つ人間を育てる」ことを教育活動の根幹に据え、「さとく、明るく、頼もしく」の校訓のもと、豊かな知性と人間性を備え、健康で実践力のある、地域を支える人材の育成を目指しています。

昭和49年(1974年)の創立以来、地域に支えながら五十余年の歩みを重ね、現在は約410名の生徒が、豊かな自然に囲まれた環境の中で学んでいます。授業はもちろん、学校行事や部活動、朝の読書活動などにも意欲的に取り組み、生徒一人ひとりが充実した学校生活を送っています。

本校の大きな特色は、多様な文化的背景をもつ生徒がともに学んでいることです。日本人生徒に加え、ブラジル、フィリピン、ベトナム、中国、ペルーなど、さまざまな国や地域にルーツをもつ生徒が在籍しています。校内には多様な言語や文化が息づき、互いの違いを認め合い、尊重し合う、温かな校風が育まれています。多様な仲間と学び合う経験は、すべての生徒の成長につながる大きな財産であると考えています。

令和8年度、本校は「多文化共生社会においてリーダーシップを発揮できる生徒の育成」を重点目標に掲げています。異なる文化や価値観をもつ人々をつなぎ、互いを理解し、ともに課題を解決できる人材を育てることを目指しています。そのため、生徒一人ひとりの自信や自己肯定感を大切にしながら、企業や公的機関などとも連携し、社会とのつながりを実感できる教育活動を推進しています。

また、すべての生徒が安心して学べる授業づくりにも力を入れています。授業のユニバーサルデザイン化を推進し、「わかる授業」を展開するとともに、母語や母文化も大切にしながら、総合的な言語能力を育てる学校設定教科「日本語」の充実を図っています。

さらに、令和6年度から始まった豊田市立保見中学校との連携型中高一貫教育を一層充実させ、多文化共生社会で自らの人生を切り拓いていく力を育むことに加え、外国にルーツのある生徒の能力や可能性を引き出す教育を進めています。

このような教育活動の礎には、本校が創立以来大切にしてきた、人を思いやり、人とのつながりを大切にする校風があります。平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災の際には、当時の3年生が卒業記念品の代わりに義援金を寄付しました。その思いに共感してくださった岐阜県荘川村(現在の高山市荘川町)の皆様から、卒業記念品として贈られたのが、正門横に立つ「荘川桜」です。また、南庭にある「生命のどんぐり」は、志半ばでこの世を去った本校生徒が闘病中に植えた苗木を移植したものです。「学び続けたい」という生徒の願いを受け継ぐかのように、その木は今も力強く成長を続けています。

こうした歴史や校風を受け継ぎ、今後も地域や保護者の皆様と力を合わせ、生徒一人ひとりの可能性を大切に育む学校であり続けたいと考えています。

校長 岡 真一郎