衣台高校は、令和5年度に創立50周年を迎え、新たなスタートを切りました。「社会の役に立つ人間を育てる」をすべての教育活動の目標とし、「さとく、明るく、頼もしく」の校訓のもと、心豊かで思いやりのある生徒が、自然に恵まれた豊かな環境のなか、授業はもちろん、部活動や学校行事、朝の読書などに意欲的に取り組み、生き生きと活動しています。また、外国籍の生徒も多く、様々な言語が飛び交い、明るい雰囲気が溢れる国際色豊かな学校です。
本年度は、「着実な一歩を」を重点目標にし、「多文化共生」「ユニバーサルデザイン」、「『日本語』授業」を3本の柱として教育活動を進めてまいります。
令和6年度より連携校である豊田市立保見中学校との連携事業も始まりました。「外国にルーツのある生徒の能力、可能性を引き出す」中高一貫教育をすすめる本校では、同時に全ての生徒を対象とした「多文化共生社会の実現」をめざす教育も行っています。全ての生徒が他の文化に触れることで、自分の当り前が、国や地域によって異なることを知り、他者の悩みや苦しみを理解し、それぞれにとって過ごしやすい社会を作っていく一員となることを目標としています。
衣台高校は、以前より人の思いを大切にしてきました。30年前の阪神淡路大震災の折には、当時の3年生が卒業記念品代を義援金として寄付をしました。それに対し、岐阜県の荘川村(現在の高山市荘川町)の方が卒業記念品の代わりとして贈っていただいたのが、正門横の「荘川桜」です。また、南庭の「生命のどんぐり」は、志半ばでこの世を去った生徒が闘病中に植えたものを移植したものです。本校で学び続けたいという本人の意志を受け継ぐかのように、大きく成長しています。
このように衣台高校は、他者に寄り添い、多文化共生社会実現に向けて歩んでいる学校です。
校長 杉本 明隆